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NOKIOOのデザイナーとITエンジニアがダム際で働いてみた!

沢渡 あまね

沢渡 あまね

  • ワークスタイル
  • #浜松, #働き方改革
沢渡あまねです。
(またの名を、ダム際ノマドワーカー)

7月17日金曜日。私たちNOKIOOクリエイティブチームは、太田川ダム(静岡県周智郡森町)リモートワークをしてきました。



太田川ダムの維持管理をされている袋井土木事務所様とのコラボレーションで実現した、ダム際ワーキング企画。デザイナーとITエンジニアが、ダム際で働いたら何が起こるのか?

NOKIOOって?
浜松市の未来型ワークスタイル企業。"RHR(Reginal HR)"をコンセプトに、成長したい人と組織を支援するベンチャー企業です。
主な領域)人材採用支援、人材教育研修、女性活躍推進、組織エンゲージメント向上、DX推進、Webマーケティング支援

NOKIOOのクリエイティブチームって?
NOKIOOのデザイナー&ITエンジニア集団。2020年8月1日現在、7名の体制でRHR事業を支えるITプラットフォーム構築、Webサイトやアプリケーションのデザインや開発をおこなっています。

太田川ダムって?
静岡県周智郡森町にある、静岡県管理の重力式コンクリートダム。2009年供用開始と比較的新しく、観光スポットとしても人気。

なぜダム際で?
筆者の趣味です(キリッ


 

まずは腹ごしらえ。ダムに着くまでの道のりもダム際ワーキングです。

お昼前にアクティ森に集合。



NOKIOOの本社がある、浜松市東区からクルマでおよそ1時間。この日は、自宅でリモートワークをしてから直行するメンバーも。
梅雨空でどんよりしていますが、なんとか雨には降られずに済みそう。頼む、このままもってくれー!
1人、また1人とメンバーが集まってきます。



アクティ森って?
太田川ダムの麓(←ダム基準かよ!(笑))に位置する、森町の複合型体験施設。物販コーナー、カフェ&レストラン、創作体験工房などを兼ね備えています。
キレイなトイレもあり、Wifiも使えます。アウトドアワーカーの強い味方。


森のレストラン「かわせみ」で卓を囲みます。密とならないよう、2卓に分かれてランチタイム。
ここの名物は、なんといっても……
ダムカレー!



文字通り、太田川ダムを模したカレー。ただのカレー(失礼)と思いきや、森町のお米と野菜、ブランド牛「森の姫牛」など地元の食材をふんだんに使った贅沢な一品。



デザイナー&ディレクターの河野(かわの)さんもスコップ(スプーン)片手にご満悦の様子。
彼女はベトナムで1年間修業し、6月にNOKIOOに復帰したばかり。

……と、ふと横を見ると、



なにやら旅館の朝食のような優雅な世界線が展開されている。
ITエンジニアの村木さん(通称:ムラッキー)。
「今日、朝ごはん食べていないんでー」



と1人雅やかに、鮎の塩焼きに喰らいつきます。




隣の物販コーナーでお菓子を買い、ダム際へGO!




道すがら、気になるツイートが……



この訓示、たまに変わるので要チェックです。
以下、バックナンバーです。ご査収ください。



一度、ここの住職さんと対談してみたいぞ(笑)


 

太田川ダムに到着!ダムの「中の人」も登場!

さあ、着きました!



太田川ダム!




高さ70m、長さ290m、堤体体積は約24万立方メートル、総貯水容量1,160万立方メートルとその容量は東京ドームに例えると……
おっと、失礼。ダムのこととなるとついついアツくなってしまいます。

そして



ダムの「中の人」登場!

袋井土木事務所 河川改良課 浦田(うらた)さん。
今日は、私たちNOKIOOメンバーのために特別にプライベートダム見学会を催してくださることに。なんて美しい地域愛、インフラ愛、そしてダム愛! そして、これぞプレミアム!
ちなみに、浦田さんは「ダムよりもむしろ鉄(鉄道ファン)」だそうです(笑)。



太田川ダムの役割と仕組みを解説いただき……



いざ、ダムの内部へ!



通常立ち入ることのできない、ダムの堤の中をご案内いただきます。



ここは監査廊(かんさろう)といって、検査、点検やゲート操作、排水などダムを維持管理するための作業に用いられるダム管理用の通路です。はい、監査廊です。覚えましたね? ここ、テストに出ます!(嘘




このダンジョン感よ!



ファミコン・ドラクエ世代の筆者の心もくすぐります。



ダムの維持管理の仕組みの説明を受ける、NOKOOメンバーたち。

見えないところで、私たちのあたりまえの生活を守ってくださる、ダムと管理事務所の皆様の努力と工夫に頭が下がります。こうして熱心に解説してくださる浦田さんにもただただ感謝です。



デザイナーやITエンジニアの仕事にも通じますね。自分たちの仕事の価値や取り組みを、もっともっと発信し、理解者やファンを増やしていかなければ!

そして、監査廊の階段を下って下って、また下って……堤下へ。



見上げる、太田川ダムの雄姿!



この迫力!まるでガンダム!

長雨で水位が上がり、見事に越流していました。この常用洪水吐から、毎秒2トンもの水が下流に流れているそうです。



河野さんと平野(ひらの)さん(ITエンジニア)のショット。女性社員が多いのも、NOKIOOの特徴です。



稼働間もない発電設備も特別に見せていただきました。



太田川ダムではダム外側に見える放流口(ダム用語で洪水吐といいます。ここも試験に…(以下略))とは別に、内部に放水路を新たに増設。水流により発電を行う、小水力発電を2019年より開始しました。

「水路を後付けするって……凄いですね!」
「やっぱり、後を見据えた設計ってとても大事なんだね」

デザイナーとITエンジニアで、そんな会話が交わされています。巨大インフラ設備に学ぶ、デザインの極意。


 

まさかのエクササイズ。良い仕事をするには運動も欠かせないのだ

さて、戻るとしましょう。

戻るためには……当然昇らなければなりません(キリッ
さきほど、下って下って、また下った訳で。今度は、上がって上がって、上がります。



この階段をな!

通常の見学会ではエレベータを利用するそうですが、密を避けるため階段を使ってくださいとのこと。
筆者は「ヒャッホー」でしたが(普段立ち入ることのできない、管理者用の階段を利用できるため)、一般の人たちには苦行、もといハードな運動に!?



宮尾(みやお)さん(ITエンジニア)、宮下(みやした)さん(デザイナー)もご覧の通り。
でも、まだ全行程の3分の1程度です(笑) 道は長いぞ、デザイナー/ITエンジニア諸君!
音を上げている先輩たちをよそに、最年少のムラッキーはとっとと昇っていきます。さすが若手、あるいはさっきの鮎が効いたのか?



デザイナー&動画撮影担当の伊勢(いせ)さんも、若干ヘトヘトな様子。



「監査廊の長い階段を昇ってきたヤツらだ。面構えが違う」


 

いよいよダム際ワーキングタイム

さて、ここからダム際ワーキングタイムです。
管理事務所の近くの東屋(あずまや)でグループディスカッション。屋根があるので、雨の日でも安心です。



最初のテーマは「NOKIOOクリエイティブチームの情報発信をどのように行うか?」
まさに、いま皆さんがご覧になっているこのブログをはじめとする、外への情報発信をどんな仕組みや仕掛けで行っていくか? ガチな業務テーマです。
ここから、リモートでもう1人ジョインします。



田中(たなか)さん。Webサイトのコーディングを担当しています。田中さんは大分県在住。NOKIOOにはフルリモートワークで勤務しています。リモート参加が当たり前。これもNOKIOOスタイルです。



「どうせなら、普段の業務で使わない新たな技術やデザインにチャレンジしてみたい!」
「そうだね。「実験する場」みたいなものがもっと欲しいよね」
「同感。やっぱり、デザイナーもエンジニアもどんどん新しい技術やフレームワークに触れていかないと」
「で、皆はどんなことを試してみたい?」
「SNS連携、LINE連携のAPIやアプリも試してみたい」
「音声入力→テキスト化してブログ投稿できるようにしてみては?」
「サーバレスにチャレンジしてみたい。メンテナンスしやすく、拡張しやすい仕組みにしていきたい」

活発な議論が交わされます。



緑の景色と、心地よいそよ風も、オープンな議論を活性化させてくれている気がします。
平日の山のダムは、人目もなく「セキュア」な環境なのも嬉しいですね。



ちなみに視界に占める緑の割合を「緑視率」といい、緑視率20%前後が快適に仕事をする上でもちょうど良いそうですよ。コンクリートのダムの堤体を囲む山々の緑。ちょうどよい緑視率ではないでしょうか。




 

ダムの中の人も一緒に、ダム際で働いてみた!

ここで、袋井土木事務所の浦田さんもディスカッションに参加。



次なるテーマは「太田川ダムの新たなる利用促進策を考える」
議論を活性化するには、甘いものも必要。



森町の菓子司 中島屋さんの銘菓「あんぱん饅頭」。筆者の好物です。
麓(アクティ森)で買ってきました。



「観光と飲食の地域活性はどこもやっていて差別化が難しい。学びの地域活性があってもよいのではないか?」
「「ダムワーキング」を新たなライフスタイルのコンセプトとして、太田川ダム発で発信していってはどうか?」
「すぐそこに癒しの空間があるのは魅力的」
「今日のような、ダム見学とダム際ワークをセットにした企画を本格展開しても良いのでは?」
「「デザイナーが集まる」「ITエンジニアが集まる」など、職種を絞ってダムワーキングする日を設けても面白いかも」
「実際にダムワーキングした事例や、ダムワーキングのオススメスポットなどの情報が欲しい」
「一周30分程度の、ウォーキングコースがあるのも魅力。運動を取り入れたワーキングスポットしての訴求も可能では?」
「通信環境がネック。WiFiが使えるようになるとありがたい」
「ライブカメラを設置して、ダムの様子がWebを通じて見えるようにすると、人々の関心もより高まるのでは?」



デザイナー、ITエンジニア、ワークスタイルの専門家(筆者)、そしてダム管理者! 職種も特技も異なる、それぞれのプロがダム際のオープンな環境で、オープンな議論をして、新たなコンセプトを生み出していく。



新たなワークスタイルの可能性を感じました。
「自分一人だけでは思いもつかない、新たな発想が得られました!」



ダムの「中の人」、浦田さんも大変満足なご様子。
また、後日浦田さんから次のコメントもいただきました。
 
  • 3密が気にならない。
  • いすとテーブルの感触が新鮮。
  • 非日常の高揚感を感じられる。
  • 明るい顔にならざるを得ない。
  • 後ろ向きな意見を出しにくい。

ダム際ワーキング凄い!コラボレーションの場としてのダム際。Dam as a Collaboration Space




 

ドローンも飛ばしたった!

ダム際の楽しいひとときはあっという間に過ぎていきます。太田川ダム(管理事務所周辺)は16時で閉門。そろそろ帰り支度をしなければなりません。

……と、



んん? 宮尾さんがなにやらゴソゴソやりだした……



えっ?

ドローン!?



……って、ドローン飛ばしていいんですか?
浦田さん「はい、どうぞ!」
という訳で袋井土木事務所の管理者様立会いの下、最後にドローンを飛ばして記念撮影!

浦田さん、なにからなにまで本当にありがとうございました。




 

ダム際ワーキングを終えてみて

普段のオフィスやリモートワーク環境とは違うところで仕事をしてみることで、さまざまな発見がありました。


 
  • おいしい食事
  • 新しいインプットと刺激(ダム設備を見学したり)
  • 適度な運動
  • オープンな環境と自然

これらが頭と心と体をオープンにし、普段なかなか言えない意見やホンネが出やすくなったり、新たな発想が生まれたり、ディスカッションが捗ったり。コミュニケーション活性、コラボレーション活性の効果があると実感しました。
袋井土木事務所 浦田さんからも「テレワーク実施企業を対象に 『ダム際でテレワークを実施しませんか』とHPで呼びかけたい」「2021年3月には、フリーWi-Fiを整備したい」と意欲的なメッセージをいただきました。
今回の企画が、ダムツーリズム(ダムと周辺地域を観光資源として活用する発想)とワークスタイルの新しい境地を切り拓くムーブメントにつながれば嬉しいです。

NOKIOOはこれからも、浜松発で新たなワークスタイルと、新しい技術を駆使したイノベーションを生み出して参ります!
それにしても、明日の朝、脚が筋肉痛にならないかちょっと不安だ……(苦笑)




 
※本企画は袋井土木事務所様とご協力のもとにおこなわれたコラボレーションプロジェクトです。管理者の許可なしに、禁止区域への立ち入りおよびドローンを飛ばした撮影などを行うことはできません。

WRITER

この記事を書いた人
沢渡 あまね 顧問・エンジニアリングマネージャー

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